イギリスの作曲家。1857年6月2日ウースター地方のブロードヒースに楽器商の息子として生まれる。幼少より音楽に囲まれた暮らしを送る。16歳のとき、父が経済的理由で廃業したために法律事務所に勤めるようになるが、音楽の道をあきらめず、独学で楽器や作曲を学んだ。その後、音楽教師などで生計を立てていたが、暮らしは決して楽ではなかった。1899年の「エニグマ変奏曲」によって名声を得た以降は経済的にも豊かになり、国際的にも認められるようになっていった。1904年ナイトの称号を授与される。1934年2月23日に76歳で死去。 代表作はイギリスの第二の国歌とも称される行進曲「威風堂々」や3つの交響曲、「チェロ協奏曲」「愛の挨拶」など。
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エドワード・エルガー |
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[エドワード・エルガー 人物情報]
Wikipediaの人物情報
サー・エドワード・ウィリアム・エルガー(Sir Edward William Elgar、1857年6月2日 - 1934年2月23日)は、イギリスの作曲家・指揮者。もとは音楽教師でありヴァイオリニストでもあった。
略歴
エルガーは1857年6月2日ウスター近郊のブロードヒースで生まれた。父親は楽器商を営むとともに、聖ジョージ・カトリック教会のオルガニストも務めていた。経済的な問題から専門的な音楽教育を受けることができず、独学によって作曲法を修得した。ヴァイオリン教師として収入を得るかたわら、たびたびロンドンへ出かけてはさまざまな音楽を聴き、特にロベルト・シューマン、リヒャルト・ワーグナーに強い影響を受けたといわれる。
1889年にピアノの教え子だったキャロライン・アリス・ロバーツと結婚。婚約に際しアリスのために作曲した「愛の挨拶」はのちに広く知られるようになる。その頃は作曲家としては地元の合唱音楽祭のために作品を委嘱される程度だったが、夫人の多大な協力もあり徐々に作曲家として認められるようになる。1899年、ハンス・リヒター (指揮者)の指揮による「独創主題による変奏曲」(エニグマ変奏曲)の初演の大成功によってエルガーは英国中にその名を知られるようになった。さらに翌1900年のオラトリオ「ゲロンティアスの夢」はドイツ初演で大成功を遂げ、作曲家リヒャルト・シュトラウスから賞賛されるなど、エルガーの名声はヨーロッパ中に広まった。
1901年には威風堂々 (行進曲)第1番が作曲・初演された。本作の中間部の旋律は英国王エドワード7世 (イギリス王)に気に入られ、国王のために書かれた「戴冠式頌歌」(1902年)において歌詞をつけて用いられている。この旋律は今日「希望と栄光の国」として愛唱され、英国の第2の国歌と称されている。以降、オラトリオ「使徒たち」(1903年)、オラトリオ「神の国」(1906年)、交響曲第1番 (エルガー)(1908年)、ヴァイオリン協奏曲 (エルガー)(1910年)、交響曲第2番 (エルガー)(1911年)、交響的習作「フォルスタッフ (エルガー)」(1913年)、チェロ協奏曲 (エルガー)(1919年)といった傑作を次々と作曲し、名実共に英国楽壇の重鎮となる。
1920年、夫人アリスの死去とともに創作意欲を落とすが1923年以降は徐々に作曲活動を再開。劇音楽「アーサー王」(1923年)、劇音楽「ジョージ・ブライアン・ブランメル」(散逸、メヌエットのみ知られる。1928年)、英国式ブラスバンドのための「セヴァーン組曲」(1930年)、組曲「子ども部屋」(1931年)といった作品を手がける。最晩年には交響曲第3番 (エルガー)、歌劇「スペインの貴婦人」、ピアノ協奏曲といった大作に次々と着手するが、いずれも未完成のまま1934年2月23日、癌のため死去した。最後の完成作品は愛犬をモチーフにした管弦楽小品「ミーナ(Mina)」(1933年)だった。
1914年(旧吹込み)以来エルガーはレコーディング活動にも積極的であり、新しく開発されたマイクロフォンによる電気録音によって自身の作品の主だったものを録音しており、演奏家としての活動も注目される。なお1シーズンのみであるが1911年にロンドン交響楽団の首席指揮者に就いている。
エルガーは1904年(47歳)のときにナイトに叙され、また1931年(74歳)準男爵にも叙されている。また1924年(67歳)には「国王の音楽師範」の称号も得ていた。
代表作品
交響曲
- 交響曲第1番 (エルガー)
- 交響曲第2番 (エルガー)
- 交響曲第3番 (エルガー)(未完成。A.ペインによる完成稿あり。)
管弦楽曲
- 組曲「子供の魔法の杖」("The Wand of Youth")第1、2番 作品1A,1B (1907年の作。)
- ポルカ「ネリー」(Polka "Nelly")
- 3つの性格的小品(Three Characteristic Pieces) 作品10
- マズルカ(Mazurka)
- ムーア風セレナード(Serenade Mauresque)
- 「コントラスツ」(ガヴォット1700-1900)("Contrasts" (The Gavotte 1700-1900))
- 2つの小品(Two Pieces)作品15 (ヴァイオリンとピアノの稿あり。)
- 「夜の歌」("Chanson de Nuit")
- 「朝の歌」("Chanson de Matin")
- 演奏会用序曲「フロワッサール (エルガー)」(Concert Overture "Froissart") 作品19
- 3つのバイエルン舞曲(Three Bavarian Dances) 作品27 (合唱曲「バイエルンの高地より」から抜粋・管弦楽編曲。)
- 「踊り」("The Dance" Allegro giocoso)
- 「子守歌」("Lullaby" Moderato)
- 「射手」("The Marksman" Allegro vivace)
- エニグマ変奏曲
- 威風堂々 (行進曲)(第6番は未完成。A.ペインによる完成稿あり。)
- コケイン
- 劇音楽「グラーニアとディアーミッド」("Grania and Diarmid") 作品42
- 南国にて("In The South"("Alassio")) 作品50
- 戴冠式行進曲(Coronation March) 作品65
- 組曲「インドの王冠」(Suite "The Crown of India") 作品66 (劇音楽からの編曲。)
- 交響的習作「フォルスタッフ (エルガー)」(Symphonic Study "Falstaff") 作品68
- 「鐘」("Carillon") 作品75
- 交響的前奏曲「ポローニア」(Symphonic Prelude "Polonia") 作品76
- 劇音楽「星明かりの急使」("The Starlight Express") 作品78
- バレエ曲「真紅の扇」(Ballet "The Sanguine Fan") 作品81
- 劇音楽「アーサー王」(Incudental music to "King Arhur" (Laurence Binyon))(1923年)
- 劇音楽「伊達男ブランメル」(Incidental music to "Beau Brummel" (B. P. Matthews))(散逸、メヌエットのみ知られる。1928年)
- 「セヴァーン組曲」("Severn Suite")作品87 (英国式ブラスバンド曲。ブラス・バンドのスコアリングはヘンリー・ギール(Henry Geehl)による。のちに作曲者が管弦楽曲に編曲する。なおアイヴァー・アトキンスによってオルガン独奏用に編曲された稿はオルガン・ソナタ第2番ともいう。)
- 「ミーナ (エルガー)」("Mina")(小管弦楽)
弦楽合奏曲
- 弦楽セレナード (エルガー) 作品20
- 序奏とアレグロ (エルガー)(Introduction and Allegro) 作品47
- エレジー(Elegy) 作品58
- 「ため息 (エルガー)」("Sospiri") 作品70 (ヴァイオリンとピアノの稿あり。)
協奏曲
- ヴァイオリン協奏曲 (エルガー) ロ短調 作品61
- ロマンス(Romance) 作品62 (ファゴットと管弦楽のための作品)
- チェロ協奏曲 (エルガー) ホ短調 作品85
- ピアノ協奏曲 作品90(未完成。ロバート・ウォーカーによる補筆完成稿あり。)
室内楽曲
- ロマンス(Romance) 作品1 (ヴァイオリンとピアノ)
- 「愛の挨拶」("Salut d'Amour" ("Liebesgruss")) 作品12 (ヴァイオリンとピアノ。その他にピアノ独奏、チェロとピアノ、小管弦楽などさまざまな稿あり。)
- 「気まぐれ女」("La Capricieuse") 作品17 (ヴァイオリンとピアノ)
- ヴァイオリンソナタ (エルガー) 作品82
- 弦楽四重奏曲 (エルガー) 作品83
- ピアノ五重奏曲 (エルガー) 作品84
器楽曲
- ソナティナ ト長調 (1887年、1930年改訂)(ピアノ曲)
- オルガン・ソナタ(第1番) ト長調 作品28
- 演奏会用アレグロ (Concert Allegro) 作品41(または作品46)(ピアノ曲)
声楽曲
- 「黒い騎士」("The Black Knight") 作品25
- 合唱曲「バイエルンの高地より」("From the Bavarian Highlands") 作品27
- オラトリオ「生命の光」("The Light of Life") 作品29
- 「オラフ王のサガからの情景」("Scenes from the Saga of KIng Olaf") 作品30
- バラッド「聖ジョージの旗」("The Banner of St George") 作品33
- カンタータ「カラクタクス」("Caractacus") 作品35
- 海の絵("Sea Pictures") 作品37
- ゲロンティアスの夢("The Dream of Gerontius") 作品38
- 戴冠式頌歌(Coronation Ode) 作品44
- オラトリオ「使徒たち」("The Apostles") 作品49
- オラトリオ「神の国」("The Kingdom") 作品51
- 「ミュージック・メイカーズ」("The Music Makers") 作品69(アルト・合唱・管弦楽のための作品)
- 「イングランドの精神」("The Spirit of England") 作品80(ソプラノ・テノール・合唱・管弦楽のための作品)
関連文献
- 磯田健一郎著『ポスト・グスタフ・マーラーのシンフォニストたち エルガー、ジャン・シベリウスから現代まで』音楽之友社、1996年10月、ISBN 4276351316
- マイケル・トレンド著『イギリス音楽の復興 音の詩人たち、エルガーからベンジャミン・ブリテンへ』旺史社、2003年7月、ISBN 4871190781
- 原著: Michael Trend, The Music Makers : The English Musical Renaissance from Elgar to Britten, Schirmer Books Published, October 1985, ISBN 0028730909
- 水越健一著『エドワード・エルガー希望と栄光の国』武田書店、2001年6月、ISBN 4886890164
- 水越健一著『愛の音楽家エドワード・エルガー』momonoge.com、2008年11月
外部リンク
- Edward Elgar(The Elgar Societyのページ)
- エドワード・エルガー/希望と栄光の国
ウェブ上の音源
- The Classical Music Archive: ELGAR, Sir Edward(1857-1934)
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