スペインの作家・詩人。近代小説の祖と称される。 下級貴族(イダルゴ)で外科医の次男として生まれる。家が貧しかったため、セルバンテスは正規の教育は受けていない。 1571年、24歳の時にレパント海戦に参加して活躍したが負傷して左手の自由を失った。このため「レパントの片手男」の異名をとりながらその後も4年間軍務を務めた。帰国途上、イスラム教徒の海賊船に襲われ、1575年?1580年アルジェで捕虜生活を送った。帰国後は文筆活動に励んだが、困窮の生活を送り、無敵艦隊(アルマダ)の食糧徴発員やアンダルシアで徴税吏となった。だが税金を預けておいた銀行が破産、負債を負う身となって1597年に投獄される。1605年獄中で執筆したといわれる『ドン・キホーテ・デ・ラ・マンチャ』前編を刊行。大成功を収めた。晩年の10年で代表作を次々に書いたが生活は決して裕福なものではなかったという。 代表作は他に『模範小説集』『ドン・キホーテ 後編』、遺作『ペルシーレスとシヒスムンダの苦難』など。
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ミゲル・デ・セルバンテスセルバンテス |
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[ミゲル・デ・セルバンテス 人物情報]
Wikipediaの人物情報
ミゲル・デ・セルバンテス・サアベドラ(Miguel de Cervantes Saavedra, 1547年9月29日 アルカラ・デ・エナーレス - 1616年4月23日)は、スペインの作家であり、小説『ドン・キホーテ』(Don Quijote de la Mancha)の著者として知られる。
生涯
セルバンテスは、イダルゴ(下級貴族)の家の次男として生まれる。父は外科医であったため、セルバンテスはコンベルソ(カトリック教会に改宗したユダヤ教徒)ではないかという研究者もある。少年時代から、道に落ちている紙切れでも字が書かれていれば手にとって読むほどの読書好きであったが、各地を転々とする生活であったので、教育をまともに受けられなかった。だが1564年ごろ、マドリードに転居したセルバンテスはルネサンスのユマニスタロペス・デ・オヨスに師事する。後にオヨスはセルバンテスを「我々の親愛なる弟子」と呼び、高く評価した。1569年にローマに渡り、ナポリでスペイン海軍に入隊するまでの生い立ちについては、あまり解明されていない。この時期に、セルバンテスが決闘相手に傷を負わせた罪を告発する文書が残っているが、同名の別人かどうかは定かではない。
スペイン最盛期の象徴であるレパントの海戦(1571年)において被弾し、左腕の自由を失った後も4年間従軍を続けた。そして本国へと帰還する途中、バルバリア海賊に襲われ捕虜となる。このとき仕官のための推薦状を持っていたことが仇になり、とても払えない巨額の身代金を課され、アルジェで5年間の虜囚生活を送る。この間、捕虜を扇動して4回も脱出を企てるがことごとく失敗。このとき処刑されなかった理由は、推薦状により大物と見られていたためと思われるが、定かではない。三位一体会(キリスト教の慈善団体)によって身請けされ本国に戻ったが、仕官を願うも叶わず、1585年に彼の最初の牧人小説『ラ・ガラテーア』を出版するが、あまり評価されなかった。
1585年に父親ロドリーゴが亡くなると、セルバンテスの家庭は本人・姉・妹・姪・妻・娘(私生児)の六人家族となり、稼ぎ手の少ない家計は逼迫した。セルバンテスは無敵艦隊の食料調達係の職を得てスペイン各地を歩き回って食料を徴発するが、教会から強引に徴発したかどで投獄され、さらに翌年アルマダの海戦で無敵艦隊が撃破されたため職を失う。
その後なんとか徴税吏の仕事に就くが、税金を預けておいた銀行が破産、30倍の追徴金を負債として負うこととなり、これが払えず1597年に投獄される。そのセビーリャの監獄の中には、ピカレスク小説『グスマン・デ・アルファラーチェ』(1559年)の作者マテオ・アレマンもいたという。セルバンテスは『ドン・キホーテ』(1605年)の序文で、牢獄において構想したことをほのめかしている。
『ドン・キホーテ』の成功にもかかわらず、版権を安く売り渡していたため、生活は良くならなかった。しかし、その後も創作活動は続き、有名なものに『模範小説集』(1613年)、『ドン・キホーテ 後編』(1615年)、遺作『ペルシーレスとシヒスムンダの苦難』(1617年)などを世に送り出した。1616年、69歳でその波瀾に満ちた人生を終えた。
イギリスのウィリアム・シェイクスピアと死亡した日が同じであるとされることが多いが、当時はヨーロッパ大陸とブリテン島とで異なる暦を使用しており、実際には同じ日ではない。これは、1582年にローマ教皇がユリウス暦からグレゴリウス暦へ暦の変更を決定し、大陸のカトリックやプロテスタントの国々が順次変えていったのに対し、当時のイギリスは、カトリック教会の権威が及ばないイギリス国教会が優勢だったために新しいグレゴリウス暦を受け入れることが遅れたからである。
影響
スペイン語による世界的大文学者のひとりとして、同時代および後世に多大な影響を与えた。同時代人のシェイクスピアは『ドン・キホーテ』を読んでいたと言われる。チャールズ・ディケンズ、ギュスターヴ・フローベール、ハーマン・メルヴィル、フョードル・ドストエフスキー、ジェームズ・ジョイス、ホルヘ・ルイス・ボルヘスらは、影響を受けた文学者たちのうちのほんの一部である。
作品
- 『ドン・キホーテ』前編 (El ingenioso hidalgo Don Quijote de La Mancha1605年)
- 『ドン・キホーテ』後編 (Segunda parte del ingenioso caballero Don Quijote de La Mancha1615年)
- 『模範小説集』(Novelas Ejemplares 、1613年)
- 『ペルシーレスとシヒスムンダ』(Persiles y Sigismunda、1615年頃)
- 『Rinconete et Cortadillo(リンコネーテとコルタディーリョ)』、日本語未翻訳
日本語訳作品
- 『ドン・キホーテ』 近年刊行の完訳のみ。
- 牛島信明訳 岩波書店全2巻、岩波文庫全6巻/荻内勝之訳、新潮社全4巻組
- 『模範小説集』 牛島信明訳、国書刊行会<スペイン中世・黄金世紀文学選集5>
- 『ペルシーレス』 荻内勝之訳、各(全2巻)、国書刊行会<世界幻想文学大系16>/ちくま文庫
- 『セルバンテス短篇集』 牛島信明編訳 岩波文庫
- 『スペイン黄金世紀演劇集』 牛島信明編訳 名古屋大学出版会 戯曲『ヌマンシアの包囲』と、詳細な解説。
関連項目
- スペイン文学
- セルバンテス賞
- セルバンテス文化センター
- ラ・マンチャの男
- スペイン黄金世紀
- スペインのユーロ硬貨 (10、20、50セント硬貨に肖像が刻印されている)
外部リンク
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