ドイツの指揮者・作曲家。20世紀を代表する指揮者。 1886年考古学者の子としてベルリンに生まれる。幼少期は作曲家を志し7歳で作曲。1903年に最初の交響曲を作曲し、伯父の指揮で初演されたが、評判は芳しくなかった。1905年ブレスラウ市立歌劇場の練習指揮者となり、翌年にカイム管弦楽団(現:ミュンヘン・フィル)を指揮してデビュー。1922年アルトゥール・ニキシュの死去を受けてゲヴァントハウスおよびベルリン・フィルの常任指揮者に就任。1927年ウィーン・フィルの常任指揮者就任。1951年のバイロイト音楽祭の再開演奏は名演として語り継がれる。1954年バーデン・バーデンにて死去。
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ヴィルヘルム・フルトヴェングラーフルトヴェングラー |
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[ヴィルヘルム・フルトヴェングラー 人物情報]
Wikipediaの人物情報
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(Wilhelm Furtwängler, 1886年1月25日ベルリン - 1954年11月30日バーデン・バーデン)はドイツの指揮者。作曲活動、ピアノ演奏活動も行った。ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団音楽監督。
概要
ヘルベルト・フォン・カラヤンの前にベルリン・フィルの音楽監督を務め、20世紀を代表する指揮者のひとりとされる。ベートーヴェン、ブラームス、ワーグナー等のドイツ本流を得意とした。ロマン派のスタイルを継承した演奏で、ライバルのアルトゥーロ・トスカニーニとは対極をなした。スコアの深読みにかけては今なお他の追随を許さず、燃えれば限りなく燃え上がり、落ち込めばどん底まで落ち込む、この落差は曲のフォルムをとらえるというより、人間の情念をえぐりだすものと言われる。バイロイトでの第九が代表的な名演とされる。
日本では指揮棒を振る様をフルトヴェングラーをもじって「振ると面食らう」などと評され、「フルベン」の愛称で親しまれている。現在でも続々と発売されるCDは熱烈なマニアを生み続け、彼の足音を録音したCDまで出ているほどである。フィギュアが作成されて発売された指揮者も彼のみである。放送録音、海賊録音の発掘熱が高まるあまり、真偽論争となったレコードも少なくない。
妹メーリットは、哲学者マックス・シェーラーの妻。姪の娘のマリア・フルトヴェングラーは俳優で医師。
略年譜
- 1886年 ベルリンにて誕生。正式な洗礼名はグスタフ・ハインリヒ・エルンスト・マルティン・ヴィルヘルム(Gustav Heinrich Ernst Martin Wilhelm)。父は考古学者アドルフ・フルトヴェングラー。
- 1906年 カイム管弦楽団(現在のミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団)を指揮しデビュー。
- 1920年 音楽学者ハインリヒ・シェンカーと親しく交わる。
- 1922年 同年死去したアルトゥール・ニキシュの後任として、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団およびベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の常任指揮者に就任。
- 1927年 フェリックス・ヴァインガルトナーの後継としてウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の常任指揮者に就任。
- 1933年 ベルリン国立歌劇場でリヒャルト・ワーグナーの「ニュルンベルクのマイスタージンガー」を指揮した際、首相アドルフ・ヒトラーと握手している写真を撮影される。9月15日、ヘルマン・ゲーリングの指令により、プロイセン枢密顧問官に就任。同年11月15日には帝国音楽院副総裁に就任。
- 1934年 ヒンデミット事件によりナチス政府と対立。12月5日、プロイセン枢密顧問官および帝国音楽院副総裁を辞任。
- 1936年 ニューヨーク・フィルハーモニックの次期音楽監督にアルトゥーロ・トスカニーニから指名されるが、ナチスの妨害により破談。
- 1938年 ドイツのアンシュルス、ナチスによるウィーン・フィル解散を阻止。
- 1939年 第二次世界大戦が勃発するがドイツに残る。国内のユダヤ人音楽家を庇護。
- 1945年
- 2月 ウィーン・フィルの定期演奏会後にスイスへ亡命(彼を嫌うナチス高官ハインリヒ・ヒムラーに逮捕命令を出されていた)。
- 5月 戦時中のナチ協力を疑われ、演奏禁止処分を受ける。
- 1947年 「非ナチ化」裁判の無罪判決をうけ、音楽界に復帰。ベルリン・フィルの終身指揮者に。
- 1948年 シカゴ交響楽団の常任指揮者就任の要請を受けるが、ウラディミール・ホロヴィッツ、アルトゥール・ルービンシュタイン、ナタン・ミルシテイン、グレゴール・ピアティゴルスキー、ヤッシャ・ハイフェッツを含むユダヤ系音楽家たちからの抗議により破談。
- 1951年 バイロイト音楽祭再開記念演奏会でベートーヴェンの交響曲第9番 (ベートーヴェン)を指揮(7月29日)。
- 1954年 肺炎により死去。68歳。
主な録音
初録音は公式には1926年のルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンの交響曲第5番 (ベートーヴェン)とカール・マリア・フォン・ウェーバーの「魔弾の射手」序曲と記録されている。
- ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン/交響曲第5番 (ベートーヴェン)(ベルリン・フィル 1937年スタジオ録音)
- フランツ・シューベルト/交響曲第8番 (シューベルト)(ベルリン・フィル 1942年演奏会ライヴ録音)
- ベートーヴェン/交響曲第9番 (ベートーヴェン)(ベルリン・フィル 1942年演奏会ライヴ録音)
- ベートーヴェン/交響曲第3番 (ベートーヴェン)(ウィーン・フィル 1944年放送録音)
- ベートーヴェン/交響曲第5番 (ベートーヴェン)(ベルリン・フィル 1947年5月25〜29日 演奏会ライヴ録音 現存しているのは25日と27日の演奏で、特に27日の録音が有名)
- ワーグナー/「ニーベルングの指環」全曲(スカラ座 1950年ライヴ録音&ローマRAI放送 1953年放送録音)
- ベートーベン/交響曲第7番 (ベートーヴェン)(ウィーン・フィル 1950年スタジオ録音)
- ベートーヴェン/交響曲第9番 (ベートーヴェン)(1951年7月29日 バイロイト音楽祭再開記念演奏会ライヴ録音。英EMIが録音したのと独バイエルン放送協会が録音した2種類存在し、2007年から話題になっている。)
- リヒャルト・ワーグナー/「トリスタンとイゾルデ (楽劇)」(1952年 スタジオ録音)
- ベートーヴェン/交響曲第3番 (ベートーヴェン)(ウィーン・フィル 1952年11月26、27日スタジオ録音)
- ロベルト・シューマン/交響曲第4番 (シューマン)(ベルリン・フィル 1953年5月スタジオ録音)
- ベートーヴェン/交響曲第5番 (ベートーヴェン)(ウィーン・フィル 1954年2月28日&3月1日 スタジオ録音)
- ワーグナー/「ワルキューレ (楽劇)」全曲(ウィーン・フィル 1954年スタジオ録音)
映像
1954年ザルツブルク音楽祭におけるモーツァルトの「ドン・ジョヴァンニ」、1942年AEGによる慰問演奏会での『ニュルンベルクのマイスタジンガー』第一幕前奏曲、ナチス高官を前にしての演奏などが残っている。
主な初演作品
- バルトーク・ベーラ/ピアノ協奏曲第1番 (バルトーク) - ピアノ:バルトーク、劇場管弦楽団(Theater Orchestra) 1927年7月1日 フランクフルト
- アルノルト・シェーンベルク/管弦楽のための変奏曲 (シェーンベルク)作品31 - ベルリン・フィル 1928年12月2日 ベルリン
- パウル・ヒンデミット/画家マティス (交響曲) - ベルリン・フィル 1934年3月11日 ベルリン
- リヒャルト・シュトラウス/『4つの最後の歌』 - ソプラノ:キルステン・フラグスタート、フィルハーモニア管弦楽団 1950年5月22日 ロンドン(初演時、あるいは直前のドレス・リハーサルによるとされる録音が現存している)
- セルゲイ・プロコフィエフ/ピアノ協奏曲第5番 (プロコフィエフ) - 作曲者のピアノ。
作品
)R.ワグナーを尊敬していた本人は自分のことを作曲家とみなしていた。作曲家としては評価されているとは言い難いが、近年では録音も増えつつある。
交響曲
- 交響曲第1番 (フルトヴェングラー) (1941年)
- 交響曲第2番 (フルトヴェングラー) (1945〜47年)
- ベルリンフィルやウィーンフィルなどを振った自作自演の録音が複数存在する。
- 交響曲第3番 (フルトヴェングラー) (1947年〜54年)
その他の作品
ヴァイオリン・ソナタ(2曲)、ピアノ五重奏曲 (フルトヴェングラー)、テ・デウム (フルトヴェングラー)、歌曲、交響的協奏曲 (フルトヴェングラー)、2つの幻想曲(ピアノ)
ピアニスト
エリーザベト・シュヴァルツコップの1953年ザルツブルク音楽祭に於けるフーゴー・ヴォルフ没後50年を記念したオール・ヴォルフ・プログラムによるリサイタルを伴奏した録音及び、ウィーン・フィルハーモニーとの演奏会に於けるバッハのブランデンブルク協奏曲第五番の録音が残る。
主要な著作
フルトヴェングラーは評論、文筆活動にも積極的で、著作物も多く残している。- )
- :フルトヴェングラーの主著で、フルトヴェングラーが各方面の雑誌に載せた論文や講演会での講演をまとめたもので、没後の)から上梓された。主要論文「ヴァーグナー問題〜ニーチェ風の随想」をはじめ、現代の音楽、社会に対する鋭い慧眼と哲学的考察を持って書かれた論考32編が収められている。中には有名な「)も含まれている。日本語訳は芦津丈夫訳で白水社から出版されており、1996年には新装版も新たに出版された。
- )
- :フルトヴェングラーの没後に残された最終的な推敲を経ていない論考をまとめた本。最終的な推敲を経ていないとはいえ、ほぼ完全な形でまとまったものがほとんどである。特に、「音と言葉」には見られない指揮者自身の役割、フルトヴェングラーの指揮に対する考え方を率直に示した論考も含まれ、極めて貴重である。同時にフルトヴェングラーが自身のカレンダーに記していた覚書も「カレンダーより」として収められている。フルトヴェングラー没後の1956年にこれもドイツのブロックハウス社から出版された。日本語版も同様に芦津丈夫の訳で白水社から出版されている。また、1996年の新装版では、従来版で割愛されていた青年期の論考1編も新たに収められた。
その他にもワルター・アーベントロートとの対談が収められた「音楽を語る」などがある。フランク・ティース編纂の書簡集も白水社から出版されている。
脚注
関連項目
- シェンカー理論 フルトヴェングラーに影響を与えたハインリヒ・シェンカーの音楽理論
- ヒンデミット事件
- クラシック音楽の指揮者一覧
参考文献
- サム・H・シラカワ、中矢一義訳・桧山浩介協力「作曲家フルトヴェングラーと現在の評価」『悪魔の楽匠 レコーディングから探る巨匠フルトヴェングラーの実像』レコード芸術1994年12月号、音楽之友社、1994年
外部リンク
- 日本フルトヴェングラー協会
- THE WILHELM FURTWANGLER CENTRE OF JAPAN (フルトヴェングラー・センター) - フランス、アメリカ、イギリスにも同様の組織が存在する
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