日本の作家。1902年奈良県に生まれる。
16歳で上京。1919年講談社の婦人記者に応募して採用されるが女性職員への差別に反対して1年で退職。1921年19歳で農民作家の犬田卯と結婚し、農民・婦人運動にかかわった。病弱の夫と4人の子どもを支えながら農民文学や児童文学の作品を次々と発表した。
代表作『橋のない川』など。
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住井すゑ |
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[住井すゑ 人物情報]
Wikipediaの人物情報
住井すゑ(すみい すえ、1902年1月7日 - 1997年6月16日)は、奈良県出身の小説家。代表作は『橋のない川』で、部落差別について取り組む。夫は編集者・農民文学者の犬田卯。ジャーナリスト・エッセイストの増田れい子は実娘。画家のHATAOは孫であり、その妻は絵本作家の永田萠。
来歴・人物
奈良県磯城郡平野村(現在の田原本町)生まれ。東京府豊多摩郡杉並町(現在の東京都杉並区)在住を経て、1935年に夫の郷里である茨城県稲敷郡牛久村城中(現在の牛久市城中町)の小川芋銭宅のすぐ近くに転居し、執筆と農作物自給生活の拠点とする。以降60年以上、同所に居住。代表作『橋のない川』を初め、多くは農村で執筆された。
年表
- 1902年1月7日、奈良県磯城郡平野村に生まれる。
- 田原本技芸女学校在学中に「少女世界」等の雑誌に投稿
- 1919年~1920年、講談社婦人記者
- 1921年、長編小説『相剋』を出版(住井すゑ子名義)。犬田卯と結婚(婚姻届提出は1923年)
- 1929年、『大地にひらく』読売新聞創設55周年記念懸賞小説2位当選
- 1930年~1931年、「無産婦人芸術連盟」機関誌「婦人戦線」に寄稿
- 1930年、講演「母性は起つ」
- 1935年、牛久村城中に転居
- 1940年、『農婦譚』を青梧堂より出版
- 1941年、『子供の村』を青梧堂より刊行。短編小説集『土の女たち』を青梧堂より刊行
- 1942年、『子供日本』を青梧堂より刊行
- 1943年、長編『大地の倫理』を日独書院から刊行。小学館の児童雑誌、教育雑誌に童話などを執筆。自作が日本放送協会「文芸放送」に採用
- 1948年、『飛び立つカル』が、三省堂の国語教科書に掲載
- 1952年、『みかん』で第1回小学館児童文化賞(文学部門)を受賞
- 1954年、長編『夜あけ朝あけ』を新潮社より刊行。第8回毎日出版文化賞受賞
- 1958年、長編小説『向い風』を大日本雄弁会講談社から刊行
- 1959年~1960年、『橋のない川』が部落問題研究所の雑誌「部落」に22回連載
- 1961年、『橋のない川』第2部を書き下ろし刊行
- 1963年、『橋のない川』第3部を新潮社より刊行
- 1964年、『橋のない川』第4部を刊行
- 1970年、『橋のない川』第5部を刊行
- 1973年、『橋のない川』第6部を刊行
- 1978年、自宅敷地内に「抱樸舎」を建てる。長編『野づらは星あかり』を新潮社より刊行
- 1982年、河出書房新社より文を執筆した絵本集を刊行
- 1992年、日本武道館で講演「九十歳の人間宣言 - いまなぜ人権が問われるのか」。聴衆8500人
- 1997年、死去。
第二次世界大戦中は「農夫われ」「生産の歌」「日の丸少女」「佐久良東雄」「野の旗風」「難きにつく」など数々の軍部賛美の随筆や小説を書き、それらの作品で「戦争はありがたい」「マニラも陥ちたね、いや愉快」「神国日本は開闢以来無敵」などと書いている。この事実を指摘された住井すゑ本人は「ほほほ…何書いたか、みんな忘れましたね」「書いたものにいちいち深い責任感じていたら、命がいくつあっても足りませんよ」「いちいち責任取って腹切るのなら、腹がいくつあっても足りない」などと放言した。ABCラジオ特別番組で、講演で非を認める発言があったと紹介された。
抱樸舎
住井は、牛久城中の自宅敷地内に「抱樸舎」(ほうぼくしゃ)を建て、人間平等思想の学習会を行った。死去後も学習会や命日付近の日曜日にすゑを偲ぶ「野ばらの日」が開催された。現在でも建物は存在し、希望者が見学することは可能である。2006年6月18日には「野ばらの日」が学習会の主催でなく自由参加となり、以後も毎年6月第3日曜日に抱樸舎にて開催される。
著書
- 相剋 長編 住井すゑ子 表現社 1921
- 農婦譚 住井すゑ子 青梧堂 1940
- 子供の村 住井すえ子 青梧堂 1941
- 子供日本 住井すゑ子 青梧堂 1942
- 土の女たち 住井すゑ 日月書院 1942
- 日本地理学の先駆長久保赤水 住井すゑ子 精華房 1943
- 大地の倫理 住井すゑ子 日独書院 1943
- 小説佐久良東雄 住井すゑ子 精華房 1943
- 夜あけ朝あけ 新潮社 1954 のち文庫
- フローレンス・ナイチンゲール 小学館 1955(小学館の幼年文庫)
- 向い風 講談社 1958 のち新潮文庫
- 橋のない川 第1-2部 新潮社 1961 のち文庫、以下同
- 地の星座 汐文社 1963
- 橋のない川 第3部 新潮社 1963
- 橋のない川 第4部 新潮社 1964
- 橋のない川 第5部 新潮社 1970
- 橋のない川 第6部 新潮社 1973
- 向い風 理論社 1974
- 野づらは星あかり 新潮社 1978 のち文庫
- たなばたさま 滝平二郎絵 河出書房新社 1982(住井すゑとの絵本集)
- ピーマン大王 ラヨス・コンドル絵 河出書房新社 1982(住井すゑとの絵本集)
- まんげつのはなし 田島征彦絵 河出書房新社 1982(住井すゑとの絵本集)
- かっぱのサルマタ 佐野洋子絵 河出書房新社 1983(住井すゑとの絵本集)
- 空になったかがみ ハタオ絵 河出書房新社 1983(住井すゑとの絵本集)
- 牛久沼のほとり 暮しの手帖社 1983
- 八十歳の宣言 人間を生きる 人文書院 1984
- いのちは育つ 抱樸舎から 人文書院 1985
- ふたごのおうま 河出書房新社 1986(メルヘンの森)
- 地球の一角から 正続 人文書院 1986-1990
- わたしの童話 労働旬報社 1988 のち新潮文庫
- 住井すゑ・初期短編集 1-3 冬樹社 1989
- わたしの少年少女物語 1-2 労働旬報社 1989
- さよなら天皇制 かもがわブックレット 1990
- 二十一世紀へ託す 『橋のない川』断想 解放出版社 1992
- 橋のない川 第7部 新潮社 1992 のち文庫
- 九十歳の人間宣言 岩波ブックレット 1992
- 人間みな平等 岩波ブックレット 1994
- 住井すゑ対話集 1-3 労働旬報社 1997
- いのちに始まる 大和書房 1997
- 住井すゑ作品集 全8巻 新潮社 1998-1999
- 住井すゑ/一庶民との対話 人為を越えて 宇都宮晃編著 筑波書林 2000
- 復刊
- 地の星座 汐文社 1999(住井すゑジュニア文学館 ; 1)
- 空も心もさつき晴 汐文社 1999(住井すゑジュニア文学館)
- 大空高く 汐文社 1999(住井すゑジュニア文学館)
- 朝を待ちつつ 汐文社 1999(住井すゑジュニア文学館)
- こぶしの花咲いて 汐文社 1999(住井すゑジュニア文学館)
共編著
- 愛といのちと 犬田卯共著 大日本雄弁会 講談社 1957 のち新潮文庫
- 女性は地球をまもる 斎藤公子対談 創風社 1987
- 水平社宣言を読む 福田雅子共著 解放出版社 1989
- 時に聴く 反骨対談 寿岳文章 人文書院 1989
- 日本の名随筆 99 哀(編)作品社 1991
- 天皇陵の真相―永遠の時間のなかで 山田宗睦 古田武彦 1994 三一書房
- わが生涯 生きて愛して闘って 増田れい子共著 岩波書店 1995
- 住井すゑと永六輔の人間宣言 死があればこそ生が輝く 光文社 1995 のち知恵の森文庫
- いのちを耕す 若月俊一共著 労働旬報社 1995
- 「橋のない川」を読む 福田雅子共著 解放出版社 1999
脚注
関連項目
- 部落差別
- 全国水平社
- 天皇制
外部リンク
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