日本の詩人・作家。本名、室生照道。
1889年(明治22年)元加賀藩士の私生児として金沢に生まれた。
13歳で義母に高等小学校を退学させられて地方裁判所の給仕として働き始める。俳句を知り、文学で生きる道を志して21歳で上京。
その後、北原白秋主宰の「朱欒」で詩壇に登場する。また無名時代の萩原朔太郎らと交流を結び、抒情詩人として活躍をはじめた。
小説にも進んで1919年『幼年時代』を発表、さらに『性に眼覚める頃』『或る少女の死まで』など自伝的小説で作家としての名声を得た。
代表作は他に詩集『愛の詩集』『抒情小曲集』、小説『かげろふの日記遺文』など。
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室生犀星 |
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[室生犀星 人物情報]
Wikipediaの人物情報
室生 犀星(むろう さいせい、本名: 室生 照道(てるみち)、1889年(明治22年)8月1日 - 1962年(昭和37年)3月26日)は、石川県金沢市生まれの詩人・小説家。
経歴
1889年、加賀藩の足軽頭だった小畠家の小畠弥左衛門吉種とハルという名の女性の間に私生児として生まれた。生後まもなく、生家近くの、真言宗寺院雨宝院住職室生真乗の内縁の妻赤井ハツに引き取られ、その妻の私生児として照道の名で戸籍に登録された。住職の室生家に養子として入ったのは7歳のときであり、この際室生照道を名乗ることになった。私生児として生まれ、実の両親の顔を見ることもなく、生まれてすぐに養子に出されたことは犀星の生い立ちと文学に深い影響を与えた。「お前はオカンボ(愛人を意味する金沢の方言)の子だ」と揶揄された犀星は、生みの母親についてのダブルバインド(二重束縛)を背負っていた。『犀星発句集』、(1943年)に見える- 夏の日の匹婦の腹に生まれけり
の句は50歳を過ぎた後も、犀星がこのダブルバインドを引きずっていたことを示している。
1902年(明治35年)金沢市立長町高等小学校を中退し金沢地方裁判所に給仕として就職。裁判所の上司に河越風骨、赤倉錦風といった俳人があり手ほどきを受ける。新聞へ投句を始め1904年(明治37年)10月8日付け『北國新聞』に初掲載。この時の号は照文。その後詩、短歌などにも手を染める。犀星を名乗ったのは1906年(明治39年)からである。犀星という筆名は、当時金沢で活動をしていた漢詩人の国府犀東に対抗したもので、犀川 (石川県)の西に生まれ育ったことからと言う。犀星が育った雨宝院は犀川左岸にあり、犀星はこの川の風情と、上流に見える山々の景色とをことの外愛した。1913年(大正2年)北原白秋に認められ白秋主宰の詩集『朱欒(ざんぼあ)』に寄稿。同じく寄稿していた萩原朔太郎と親交をもつ。1916年(大正5年) 萩原と共に同人誌『感情』を発行。1919年(大正8年)までに32号まで刊行した。この年には中央公論に『幼年時代』、『性に目覚める頃』等を掲載し、注文が来る作家になっていた。1929年(昭和4年)初の句集『魚眠洞発句集』を刊行。1930年代から小説の多作期に入り1934年(昭和9年)『詩よ君とお別れする』を発表し詩との訣別を宣言したが、実際にはその後も多くの詩作を行っている。1935年(昭和10年)、『あにいもうと』で文芸懇話会賞を受賞。 芥川龍之介賞の選考委員となり、1942年(昭和17年)まで続けた。1941年(昭和16年)に菊池寛賞。
戦後は小説家としての地位を確立し、多くの秀作を生んだ。娘朝子をモデルとした1958年(昭和33年)の半自叙伝的な長編『杏っ子』は読売文学賞、同年の評論『わが愛する詩人の伝記』は毎日出版文化賞を受賞。古典を基にした『かげろふの日記遺文』(1959年(昭和34年))では野間文芸賞を受賞した。この賞金から翌年、室生犀星詩人賞を設定。1962年(昭和37年)、 肺癌の為に死去。
抒情小曲集の「ふるさとは遠きにありて思ふもの/そして悲しくうたふもの」の詩句が有名である。この句の通り、文壇に名を轟かすようになった後も金沢にはほとんど戻ることがなく、そのかわり犀川の写真を貼っていたという。
全集・著作集
- 室生犀星全集 全13巻別巻1 非凡閣 1936-37
- 室生犀星作品集 全12巻 新潮社 1958-60
- 室生犀星全集 全12巻別巻2 新潮社 1964-68
詩歌の分野では「全詩集」が、筑摩書房(限定版と普及版で全1巻)と、冬樹社(全3巻、1978年)で出版された。
娘・室生朝子は多数の関連著作を出版している。
作品
詩集
- 愛の詩集 第一詩集 感情詩社、1918 のち角川文庫
- 抒情小曲集 第2詩集 感情詩社、1918
- 第二愛の詩集 第四詩集 文武堂書店、1919
- 寂しき都会 聚英閣、1920
- 星より来れる者 大鐙閣、1922
- 田舎の花 新潮社、1922
- 忘春詩集 京文社、1922
- 青き魚を釣る人 抒情小曲 アルス、1923
- 高麗の花 詩文集 新潮社、1924
- 故郷圖繪集 椎の木社、1927
- 鶴 素人社書店、1928
- 魚眠洞発句集 武蔵野書院、1929
- 鳥雀集 拾遺抒情詩 第一書房、1930
- 犀星発句集 野田書房∥1935
- 十返花 詩歌集 新陽社 1936
- 泥雀の歌 実業之日本社 1942
- 鐵(くろがね)集
- 十九春詩集
- 鉛筆詩集 単行本なし
- 美以久佐(みいくさ) 千歳書房、1943
- いにしへ
- 動物詩集
- 日本美論 昭森社 1943 戦後に「夕映梅花」と改題され再刊
- 山ざと集
- 信濃山中
- 旅びと 臼井書房 1947
- 逢ひぬれば 富岳本社 1947
- 室生犀星詩集 1955 (岩波文庫)
- 哈爾濵詩集 冬至書房 1957 のち講談社文芸文庫
- 遠野集 定本犀星句集 五月書房 1959
- 女ご(をみなご)のための最後の詩集 (単行本なし。「続女ひと」所収)
- 昨日いらつしつて下さい 五月書房 1959 (「女ごのための最後の詩集」が増補されたもの)
- 晩年(「昨日いらつしつて下さい」以降の作品群。単行本なし。筑摩版「室生犀星全詩集」所収)
- 室生犀星全詩集 筑摩書房 1962
- 抒情小曲集・愛の詩集 1995.11 (講談社文芸文庫)
小説
- 結婚者の手記 あるひは「宇宙の一部」新潮社、1920
- 性に目覚める頃 新潮社、1920 のち角川文庫、新潮文庫
- 蒼白き巣窟 新潮社、1920
- 鯉 春陽堂、1921
- 古き毒草園 隆文館、1921
- 蝙蝠 隆文館、1921
- 香炉を盗む 隆文館、1921
- 美しき氷河 新潮社、1921
- 幼年時代 (室生犀星) 金星堂、1922 のち旺文社文庫、
- 走馬灯 新潮社、1922
- 万花鏡 京文社、1923
- 肉の記録 文化社 1924.3
- 翡翠 寳文館、1925
- 青い猿 春陽堂、1932
- 神々のへど 改題「兄いもうと」山本書店、1935 あにいもうと のち角川文庫、
- 女ノ図 竹村書房 1935
- 哀猿記 民族社 1935
- 弄獅子 純粋小説全集 第8巻 有光社 1936
- 聖処女 新潮社 1936 のち角川文庫
- 女の一生 小説 むらさき出版部、1938
- 大陸の琴 新潮社、1938
- つくしこひしの歌 小説 実業之日本社、1939
- 波折 小説集 竹村書房、1939
- 乳房哀記 鱒書房、1940
- 戦死 小説集 小山書店、1940
- 王朝 実業之日本社、1941
- 戦へる女 明石書房、1941
- 蝶・故山 桜井書店、1941
- 甚吉記 愛宕書房、1941
- 鮎吉船吉春吉 小学館 1942
- 瞼のひと 偕成社 1942
- 蟲寺抄 博文館 1942
- 乙女抄 偕成社 1942
- 筑紫日記 小学館、1942
- 山の動物 童話 小学館 1943
- 萩の帖 全国書房 1943
- 木洩日 六芸社、1943
- 神国 全国書房 1943
- 我友 博文館 1943
- 余花 昭南書房 1944
- 三吉ものがたり 新洋社 1946
- 山の動物 小学館 1946
- 作家の手記 養徳社 1946
- 信濃の歌 清水書房、1946
- 女の図 大日本雄弁会講談社 1947
- 世界 小説集 東京出版 1947
- 玉章 共立書房 1947
- 山鳥集 桜井書店 1947
- オランダとけいとが 童話集 小学館 1948
- 五つの城 東西社 1948
- みえ 実業之日本社 1948
- 童笛を吹けども 弘文堂書房 1948
- 童女菩薩 酣灯社 1948
- 狩衣 玄文社 1948
- 氷った女 クラルテ社 1948.10
- 或る少女の死まで 岩波文庫、1952
- あにいもうと・山吹 1953 (角川文庫
- 黒髪の書 犀星近作集 新潮社 1955
- 幼年時代・あにいもうと 1955 (新潮文庫)
- 妙齢失はず 新潮社 1956
- 三人の女 新潮社 1956
- 陶古の女人 三笠書房 1956
- 舌を噛み切った女 河出新書 1956 のち新潮文庫
- 少女の野面 鱒書房 1956 (コバルト新書)
- 杏っ子 新潮社 1957 のち文庫
- 夕映えの男 大日本雄弁会講談社 1957
- つゆくさ 筑摩書房 1958
- 生きるための橋 実業之日本社 1959
- 蜜のあはれ 新潮社 1959 のち講談社文芸文庫 -栃折久美子をモデルとしたもの
- かげろふの日記遺文 講談社 1959 のち角川文庫、講談社文芸文庫
- 火の魚 中央公論社 1960
- 告ぐるうた 講談社 1960
- 二面の人 雪華社 1960
- 草・簪・沼 小説集 新潮社 1961
- 古事記物語 小学館 1962 (少年少女世界名作文学全集
- はるあはれ 中央公論社 1962
- 宿なしまり子 角川書店 1962
- われはうたへどもやぶれかぶれ 講談社 1962
- 犀星王朝小品集 1984.3 (岩波文庫)
- 蜜のあわれ・われはうたえどもやぶれかぶれ 1993.5 (講談社文芸文庫)
- あにいもうと・詩人の別れ 1994.9 (講談社文芸文庫)
評論・随筆
- 新らしい詩とその作り方 文武堂書店、1918
- 魚眠洞随筆 新樹社、1925
- 庭を造る人 改造社、1927
- 天馬の脚 改造社、1929
- 庭と木 武蔵野書院、1930
- 茱萸の酒 随筆集 岡倉書房、1933
- 文芸林泉 随筆集 中央公論社、1934
- 慈眼山随筆 竹村書房 1935
- 復讐 竹村書房 1935
- 随筆文学 犀星随筆集 三笠書房 1935
- 印刷庭苑 犀星随筆集 竹村書房 1936
- 薔薇の羮 改造社 1936
- 駱駝行 随筆集 竹村書房、1937
- 作家の手記 河出書房 1938
- あやめ文章 作品社、1939
- 一日も此君なかるべからず 室生犀星随筆集 人文書院、1940
- 花霙 豊国社 1941
- 芭蕉襍記 三笠書房 1942
- 残雪 竹村書房 1942
- 日本の庭 朝日新聞社 1943
- 乳房哀記 コバルト社 1946
- 信濃山中 全国書房 1946
- 山ざと集 生活社 1946
- 残雪 清水書房 1946
- 泥孔雀 随筆 沙羅書房 1949
- 随筆女ひと 新潮社 1955 のち文庫、岩波文庫
- 続随筆女ひと 新潮社 1956 のち文庫
- 誰が屋根の下 随筆 村山書店 1956
- 李朝夫人 村山書店 1957
- 我が愛する詩人の伝記 中央公論社 1958 のち角川文庫、新潮文庫、中公文庫(連載中佐藤惣之助の遺族から抗議があり佐藤の章は未収録)
- 刈藻 清和書院 1958
- 平安遷都 河出書房新社 1959 (現代人の日本史
- 硝子の女 随筆 新潮社 1959
- 翡陶 有信堂 1960
- 生きたきものを 中央公論社 1960
- 黄金の針 女流評伝 中央公論社 1961
- 四角い卵 随筆 新潮社 1962
- 好色 筑摩書房 1962
- 憑かれたひと 二つの自伝 冬樹社 1972
- 加賀金沢・故郷を辞す 講談社文芸文庫、1993
交友
- 萩原朔太郎
- 相川俊孝
- 芥川龍之介
- 中野重治
- 堀辰雄
- 伊藤信吉
- 森茉莉
- 萩原葉子
外部リンク
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