ヨーゼフ・シュンペーター

シュンペーター
Schumpeter, Joseph Alois
1883年02月08日~1950年01月08日
[オーストリア] [社会科学]

[ヨーゼフ・シュンペーター 人物情報]

オーストリアの経済学者。1883年富裕な織物業者の子として現チェコ領トリーシュに生まれる。ウィーン大学で経済学を学び、1908年『理論経済学の本質と主要内容』を発表し、経済学者として確固たる地位を確立した。その後ツェルノヴィッツ大学、グラーツ大学などで教鞭をとった。第1次大戦後にはオーストリア政府の蔵相やビーダーマン銀行総裁を務めた。
1932年にハーヴァード大学に招かれてアメリカに移住した。のちに帰化。
シュンペーターは資本主義経済の発展が、不断のイノベーション(企業内技術革新)にあると唱え、近代経済学の理論家としてケインズと並び称される。
1934年計量経済学会会長。1948年アメリカ経済学協会会長。

Wikipediaの人物情報

{{Infobox_経済学者 。持論のイノベーションの理論を軸にして、経済活動における新陳代謝を'''創造的破壊'''という言葉で表し、また、資本主義は、成功ゆえに巨大企業を生み出し、それが官僚的になって活力を失い、社会主義へ移行していく、という有名な理論を提示した。マーガレット・サッチャーはイギリスが、つねにこのシュンペーターの理論のとおりにならないよう警戒しながら政権運営をしていたという。

経済学史家シュンペーター

初期に『経済学史』を著し、晩年に大著『経済分析の歴史』を執筆した(没後遺稿を元に出版)。

年譜

  • 1883年2月8日 オーストリア・ハンガリー帝国・モラヴィア(現チェコ)のトリーシュに生まれる。
  • 1901年 ウィーン大学法学部進学
  • 1906年 ウィーン大学から博士号(法学)を取得
  • 1908年 『理論経済学の本質と主要内容』発表
  • 1909年 ツェルノヴィッツ大学准教授に就任
  • 1911年 グラーツ大学教授に就任
  • 1912年 『経済発展の理論』発表
  • 1913年 コロンビア大学から客員教授として招聘され名誉博士号を受ける
  • 1919年 オーストリアの大蔵大臣に就任、同年辞職
  • 1921年 ビーダーマン銀行の頭取に就任
  • 1924年 同銀行が経営危機に陥ったため、頭取を解任され、巨額の借金を負う
  • 1925年 ライン・フリードリヒ・ヴィルヘルム大学ボンの教授に就任
  • 1927年~ ハーバード大学の客員教授を引き受ける
  • 1931年 初めて来日し各地で講演
  • 1932年 ハーバード大学の教授に就任
  • 1939年 『景気循環の理論』発表
  • 1940年 計量経済学会会長に就任
  • 1942年 『資本主義・社会主義・民主主義』発表
  • 1947年 アメリカ経済学会会長に選出
  • 1949年 国際経済学会会長に選出
  • 1950年1月8日 アメリカ合衆国・コネチカット州にて動脈硬化症で急死
  • 1954年 遺稿を元に『経済分析の歴史』出版

エピソード

  • シュンペーター門下の日本人経済学者としては、ボン大学時代の留学生である中山伊知郎、東畑精一、同じくハーバード大学時代の柴田敬、都留重人等が著名である。なお、伊東光晴によると、「日本の経済学者でシュンペーターのもとを訪れた者のうち、シュンペーター自身が、来る前から異常に高く評価したのは柴田敬であり、来た後に高く評価したのが都留重人であって、これ以外の人についてはほとんど評価していない」とされている。:宮崎義一、伊東光晴「忘れられた経済学者・柴田敬」経済評論53/8月号
  • 『経済発展の理論』(「シュムペーター経済発展の理論」1937年、中山伊知郎、東畑精一共訳、岩波書店)の日本語訳に寄せられた「日本語版への序文」は原文のまま掲載された。この文章にはシュンペーターの貴重な考えが載っており、敢えて訳さなかったことによって後世の研究者が引用しやすくなったと言われる。ちなみに彼はそこで「自分の考えや目的がマルクスの経済学の基礎にあるものだとは、はじめ気づかなかった。」「マルクスが資本主義発展は資本主義社会の基礎を破壊するということを主張するにとどまるかぎり、なおその結論は真理たるを失わないであろう。私はそう確信する。」などと告白している。
  • ハーバード大学の講義で「わがパパ、マルクス」としばしば言った。
  • ハーバード大学で最も期待した門下生がポール・スウィージー
  • 小室直樹の『経済学をめぐる巨匠たち』では、シュンペーターの業績は経済学界ではさほど継承されておらず、むしろ経営学によってその発想や視点が旺盛に摂取されている、と書かれている。同著には、彼はさほど数学は得意ではなく、弟子のポール・サミュエルソンの数学の講義を聴いて勉強したとも書かれている。

主な著作

  • Wesen und Hauptinhalt der theoretischen Nationalökonomie, 1908
『理論経済学の本質と主要内容』大野忠男・安井琢磨・木村健康訳
  • Theorie der wirtschaftlichen Entwicklung, 1912
『経済発展の理論 : 企業者利潤・資本・信用・利子および景気の回転に関する一研究』 塩野谷祐一・中山伊知郎・東畑精一訳
  • "Epochen der Dogmen-und Methodengeschichte",Wirtschaft und Wirtschaftwissenschaft, p19-124, 1914
『経済学史 : 学説ならびに方法の諸段階』中山伊知郎・東畑精一訳
  • Die Krise des Steuerstaats, 1918
『租税国家の危機』木村元一・小谷義次訳
  • Business Cycles, 1939
『景気循環論 : 資本主義過程の理論的・歴史的・統計的分析』 金融経済研究所訳
  • Capitalism, Socialism, and Democracy, 1942
『資本主義・社会主義・民主主義』中山伊知郎・東畑精一訳
  • History of Economic Analysis, 1954
『経済分析の歴史』東畑精一訳

関連書籍

  • 伊東光晴・根井雅弘『シュンペーター』(岩波新書、1993年)
  • 根井雅弘『シュンペーター』(講談社学術文庫、2006年。シュンペーターの評伝)

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