Sugita, Genpaku

杉田玄白

スギタゲンパク
Sugita, Genpaku
1733年10月20日~1817年06月01日
[日本] [応用科学]

[杉田玄白 人物情報]

日本の蘭方医。1733年(享保18年)小浜藩(福井県)の藩医の子として江戸に生まれる。幕府の奥医師西玄哲にオランダ医学を学び、1753年に藩医となる。
1771年小塚原で刑死体の腑分けをおこない、オランダ語の医学書『ターヘル・アナトミア』の正確さに驚く。前野良沢らとともに同書を4年かけて翻訳し。1774年『解体新書』として刊行。晩年には回想録を『蘭学事始』として記している。

Wikipediaの人物情報

杉田 玄白(すぎた げんぱく、享保18年9月13日 (旧暦)(1733年10月20日) - 文化 (元号)14年4月17日 (旧暦)(1817年6月1日))は、江戸時代の蘭学医。若狭国小浜藩(福井県)医。私塾天真楼を主催。父は杉田玄甫、母は八尾氏の娘。諱は翼(たすく)、字は子鳳、号は鷧、晩年に九幸翁。

杉田氏は近江源氏である佐々木氏の支族である真野氏の家系。後北条氏に仕えた真野信安のときに間宮姓に改め、子の長安の代に復姓。医家としては、玄白で3代目にあたる。同時代に活躍し、間宮海峡にその名を残す探検家である間宮林蔵は同族である。

経歴

小浜市にある杉田玄白の銅像。杉田玄白記念公立小浜病院の正面に設置されている。江戸、牛込の小浜藩酒井家の下屋敷に生まれるが、玄白の生母は出産の際に死去している。下屋敷で育ち、元文5年(1740年)には一家で小浜へ移り、父の玄甫が江戸詰めを命じられる延享2年(1745年)まで過ごす。青年期には家業の医学修行を始め、医学は奥医の西玄哲に、漢学は本郷 (文京区)に開塾していた古学派の儒者宮瀬竜門に学ぶ。

宝暦2年(1752年)に小浜藩医となり、上屋敷に勤める。宝暦7年(1757年)には江戸、日本橋 (東京都中央区)#地域としての日本橋に開業し、町医者となる。同年7月には、江戸で博物学#本草学者の田村元雄や平賀源内らが物産会を主催。出展者には中川淳庵の名も見られ、蘭学者グループの交友はこの頃にははじまっていたと思われる。宝暦4年(1754年)には京都で山脇東洋が、処刑された罪人の腑分け(人体解剖)を実施している。国内初の人体解剖は蘭書の正確性を証明し、日本の医学界に波紋を広げるとともに、玄白が五臓六腑説への疑問を抱くきっかけとなる。

明和2年(1765年)には藩の奥医師となる。同年、オランダ商館長やオランダ通詞らの一行が江戸へ参府した際、玄白は源内らと一行の滞在する長崎屋源右衛門を訪問。通詞の西善三郎からオランダ語学習の困難さを諭され、玄白はオランダ語習得を断念している。明和6年(1769年)には父の玄甫が死去。家督と侍医の職を継ぎ、新大橋の中屋敷へ詰める。

明和8年(1771年)、自身の回想録である『蘭学事始』によれば、中川淳庵がオランダ商館院から借りたオランダ語医学書『ターヘル・アナトミア』をもって玄白のもとを訪れる。玄白はオランダ語の本文は読めなかったものの、図版の精密な解剖図に驚き、藩に相談してこれを購入する。偶然にも長崎から同じ医学書を持ち帰った前野良沢や、中川淳庵らとともに小塚原刑場(東京都荒川区南千住)で死体の腑分けを実見し、解剖図の正確さに感嘆する。玄白、良沢、淳庵らは『ターヘル・アナトミア』を和訳し、安永3年(1774年)に『解体新書』として刊行するに至る。友人桂川甫三(桂川甫周の父)により徳川将軍家に献上された。

安永5年(1776年)藩の中屋敷を出て、近隣の竹本藤兵衛(旗本、500石取)の浜町拝領屋敷500坪のうちに地借し外宅とする。そこで開業するとともに「天真楼」と呼ばれる医学塾を開いた。玄白は外科に優れ、「病客日々月々多く、毎年千人余りも療治」と称され、儒学者の柴野栗山は「杉田玄白事は、当時江戸一番の上手にて御座候。是へまかせ置き候へば、少も気遣は無之候」と書き記している。晩年には藩から加増を受けて400石に達している。

晩年には回想録として『蘭学事始』を執筆し、後に福澤諭吉により公刊される。文化2年(1805年)には、11代将軍徳川家斉に拝謁し、良薬を献上している。文化4年(1807年)に家督を子の伯元に譲り隠居。著書に『形影夜話』ほか多数。

孫の杉田成卿(梅里)は幕府天文方となった。

墓所は東京都港区 (東京都)愛宕 (東京都港区)の栄閑院。肖像は石川大浪筆のものが知られ、早稲田大学図書館に所蔵されている(重要文化財)。1907年(明治40年)11月15日、贈正四位。

近年刊行の著作

  • 『蘭学事始・形影夜話・野叟独語ほか』 芳賀徹・緒方富雄・楢林忠男、中公クラシックス:中央公論新社 、2004年
  • 『すらすら読める蘭学事始』 酒井シヅ 講談社 2004年
  • 『蘭学事始』片桐一男全訳注 講談社学術文庫 2000年
  • 『解体新書』酒井シヅ全訳注 講談社学術文庫 1982年 新版1998年
  • 『知の冒険者たち 「蘭学事始」を読む』杉本つとむ訳・解説 八坂書房 1994年
  • 『現代文蘭学事始』緒方富雄訳・解説 岩波書店 1984年
  • 『蘭学事始』緒方富雄校注、岩波文庫 改版1982年
  • 『日本思想大系64.65 洋学』上.下 松村明・佐藤昌介ほか校注 岩波書店 数編が所収 

脚注

杉田玄白が登場する作品

  • 吉村昭 『冬の鷹』(新潮文庫)のち「吉村昭自選作品集」新潮社
  • みなもと太郎 『風雲児たち』 潮出版社 (現在はリイド社)
  • 大沼弘幸・わたなべぢゅんいち 『大江戸乱学事始』 電撃文庫

関連項目

  • 蘭学
  • 須原屋市兵衛
  • 天真楼
  • 緒方洪庵
  • プロジェクト杉田玄白
  • 江戸時代の人物一覧
  • 杉田玄白記念公立小浜病院
1733年生まれの人物
杉田玄白 / 円山応挙 /

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