Smith, Adam

アダム・スミス

スミス
Smith, Adam
1723年06月16日~1790年07月17日
[イギリス] [社会科学]

[アダム・スミス 人物情報]

イギリスの経済学者。1723年スコットランドのカーコーディに生まれる。グラスゴー、オックスフォード大学で学ぶ。1751年グラスゴー大学教授となり、1759年『道徳情操論』を発表して名声を得た。
バックル公の師として1764年からヨーロッパ旅行に随伴、フランスでヴォルテールやケネー、テュルゴー、ネッケルらと交わった。1766年に帰国後は著作に専念し、10年かけて『諸国民の富の性質ならびに原因に関する研究(国富論)』を著した。1787年グラスゴー大学学長となる。
アダム・スミスは重商主義を批判し、労働が富の源泉であるとして労働価値説を強化した。また、各個人の利己心に基づく自由競争は「神の見えざる手」によって最高の利益へと導かれるとして、経済活動の自由放任を主張した。アダム・スミスの理論はその後のイギリス通商政策に影響を与え、リカードらによって古典派経済学として完成された。
誕生日として記載の6月16日は洗礼日(グレゴリオ暦)

Wikipediaの人物情報

アダム・スミス(Adam Smith、1723年6月5日(洗礼日) - 1790年7月17日)は、スコットランド生まれのイギリス(グレートブリテン王国)の経済学者・哲学者である。主著は『諸国民の富の性質と原因の研究』(または『諸国民の富』とも。原題『諸国民の富の性質と原因の研究』An Inquiry into the Nature and Causes of the Wealth of Nations)。「経済学の父」と呼ばれる。

略歴

アダム・スミスは税関吏を父としてスコットランドの海沿いの町カコーディーに生まれたが、父は生まれる半年前に死亡した。生年月日は不詳であるが、1723年6月5日に洗礼を受けたことは明らかになっている。未亡人となった母は、亡夫と同じアダムという名前を一人息子につけ、生涯愛情を注いだ。スミスは4歳の時にスリに仕立て上げることを目的とした誘拐に遭うものの、誘拐犯からスリには向かないという烙印を押され、解放されてしまうほど内向的性格を持ち、吃りがあった。

グラスゴー大学で哲学者フランシス・ハチソンの下で道徳哲学を学び、1740年にオックスフォード大学に入学するが、1746年に退学。1748年からエディンバラで修辞学や純文学を教え始め、1750年頃、後に友人となる哲学者デイヴィッド・ヒュームと出会う。その後、1751年にグラスゴー大学で論理学教授、翌1752年に同大学の道徳哲学教授に就任する。1757年、エンジニアのジェームズ・ワットが同大学構内で実験器具製造・修理店を開業することを手助けした。1759年にはグラスゴー大学での講義録『道徳情操論』(または『道徳感情論』The Theory of Moral Sentiments)を発表し、名声を確立。同書の理論は我々には道徳を感じる感覚(Moral Sence)があるというモラル・センス学派に含まれる。

1763年には教授職を辞し、第3代バクルー公爵ヘンリー・スコット (第3代バクルー公爵)のグランドツアーに家庭教師として同行しフランスに渡る。その頃パリのイギリス大使館秘書を務めていたヒュームの紹介でジャック・テュルゴーやジャン・ル・ロン・ダランベール、フランソワ・ケネーをはじめとするフランス知識人と親交を結んだ。しかし、バクルーの弟がパリで病没したことをきっかけに()イギリスに戻った。スミスは1766年にスコットランドに戻り、1776年3月9日に出版されることになる『国富論』の執筆にとりかかる。

アメリカ独立、テュルゴー失脚の年に発表された『国富論』はアダム・スミスに絶大な名誉をもたらし、イギリス政府はスミスの名誉職就任を打診したが、スミスは父と同じ税関吏の職を望み、1778年にエディンバラの関税委員に任命された。著書は前記の2冊のみで、死ぬまでその改定増補に集中した。1782年の母の死後は奇行が目立ち、税関職員の制服に身を包み、街を徘徊するようになる。1787年にはグラスゴー大学名誉学長に就任し、1790年にエディンバラで67歳で死亡した。収入の相当部分を慈善事業に捧げ、死の直前、草稿類をすべて焼却させたといわれる。

道徳感情論

『道徳情操論』によれば、人間は他者の視線を意識し、他者に「同感(sympathy)」を感じたり、他者から「同感」を得られるように行動する。この「同感」という感情を基にし、人は具体的な誰かの視線ではなく、「公平な観察者(impartial spectator)」の視線を意識するようになる。

「公平な観察者」の視線から見て問題がないよう人々は行動し、他者の行動の適宜性を判断することにより、社会がある種の秩序としてまとまっていることが述べられる。このように社会は「同感」を基にして成り立っているため、社会は「慈善(beneficence)」をはじめとした相互の愛情がなくとも成り立ちうると論じた。

また富裕な人々は、大地が全住民に平等に分配されていた場合とほぼ同一の生活必需品の分配を、「見えざる手」に導かれて行なうということも述べている。

国富論

スミス以前の低賃金論に反対して、その成員の圧倒的多数が貧しい社会が隆盛で幸福であろうはずはないとして高賃金論を展開した。

関連項目

  • 貨幣経済
  • 国富論
  • 経済学
  • 古典派経済学
  • 近代経済学
  • オックスフォード大学の人物一覧
  • 石川暎作 - 日本で最初に『国富論』を翻訳。

関連文献

  • 堂目卓生 『アダム・スミス 「道徳感情論」と「国富論」の世界』 中公新書:中央公論新社、2008年
  • ジェイムズ・バカン、山岡洋一訳 『真説アダム・スミス その生涯と思想をたどる』 日経BP社、2009年

外部リンク

1723年生まれの人物
鈴木春信 / アダム・スミス / ジョシュア・レノルズ /

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