Archimedes

アルキメデス

アルキメデス
Archimedes
0000年~0000年
[イタリア] [自然科学]

[アルキメデス 人物情報]

シチリア島・シラクサの数学者・技術者で、「アルキメデスの原理」の発見者。球の表面積と体積、放物線の弦と弧とに挟まれた面積、円周率などを計算によって初めて求めたことでも知られてます。「アルキメデスの原理」は、ヘロン王が純金の王冠を金細工師に作らせた際に、細工師が混ぜ物をして金の一部を盗んだことを、風呂に入ると水が湯船から溢れる現象をヒントに証明してみせたことから発見されたといいます。シラクサの住人として、第2次ボエニ戦争でローマ軍と闘った際にローマの兵士によって殺害されました。その後、紀元前75年に政治家キケロによってシラクサの入り口近くで彼の墓が発見されたとき、その墓には球に外接する円柱が描かれていたといいます。「私に支点を与えよ。そうすれば地球を動かしてみせよう。」と豪語したと伝えられています。(てこの原理を端的に言い表したもの。)

Wikipediaの人物情報

アルキメデス(Archimedes、)またはシラクサのアルキメデス(Archimedes of Syracuse、紀元前287年 - 紀元前212年)は、古代ギリシアの数学者、物理学者、技術者、発明家、天文学者。彼の生涯は全容を掴めていないが、古典古代における第一級の科学者という揺ぎ無い評価を得ている。彼が物理学にもたらした革新は流体静力学の基礎となり、静力学の考察はてこの本質を説明した。彼は革新的な機械設計にも秀で、シージ・エンジンや彼の名を冠したアルキメディアン・スクリューなどでも知られる。また、数々の武器を考案したことでも知られる

一般には、アルキメデスは史上まれな偉大なる古代のの体積の求め方や、大数の記数法も考案している

アルキメデスはシラクサの戦いにおいて、彼には危害を加えないよう命令が下されていたにも関わらず、する円柱 (数学)を象っていた。アルキメデスは、球とそれに外接する円柱は、体積の比と表面積の比がどちらも 2:3 であることを立証しており、彼自身この証明が最も成果があるものと見なしていた。

発明した品々とは異なり、アルキメデスの数学に関する記述は古代においてほとんど知られていなかった。の著作が広く読まれ、初めて一般に知られるようになった。これらもまたからは、彼が得た数学的帰結に至る、知られていなかった洞察の過程についての情報を得ることができた。『砂の計算』の中でアルキメデスは、父親を無名の天文学者「ペイディアス (Phidias)」と告げている。が書き残しているが、これは失われてしまい細部は伝わっていない<ref name="mactutor">。例えば、彼はや『アルキメデスの牛の問題』にはエラトステネスに宛てた序文があるアルキメデスは『螺旋について』にてペルシウムのドシセオスに宛てた序文を載せているが、そこで彼は「コノンが亡くなってから何年もが過ぎた」と書いている、サモスのコノンは紀元前280年から紀元前220年を生き、この言葉はアルキメデスが著作を書いた時は晩年だった可能性を示す。

アルキメデスは紀元前212年、について熟考していた。ローマの兵士はアルキメデスをマルケッルスの元へ連行するよう命令を受けていたが、アルキメデスは思案中だとこれを拒絶した。これに兵士は激高し、剣をもって彼を殺した。プルタルコスは、この殺害は連行される前の出来事だった可能性も示唆しており、この逸話によると、アルキメデスは製図器械を運んでいたところ、これを金目のものと見た兵士によって殺されたという。マルケッルス将軍はアルキメデスを有能な科学者と知っていたため危害を加えないよう指令を出していたにも関わらず、殺害されたという知らせに激怒したと伝わる

とそれに外接する円柱との体積および表面積の比は、いずれも2対3となる。アルキメデスの希望に副って、彼の墓はこの球と円柱の形で作られた。アルキメデス最期の言葉は「私の図形をこわさないでくれ(私の円を踏むな)」(、)と伝えられる。これは、兵士が踏み込んだ際にアルキメデスは円の図を描いて数学的思索を巡らしている最中だったためである。しかし、この言い伝えには証拠は無く、プルタルコスの記述の中にも見出せない

アルキメデスのマルクス・トゥッリウス・キケロがクァエストルとしてシチリアに勤めていた頃、アルキメデスの墓について聞いた。場所は伝わっていなかったが、彼は探した末にシラクサのAgrigentine門の近く、低木が繁る省みられない場所に墓を見つけ出した。キケロは墓を清掃させたところ、彫刻がはっきり分かるようになり、詩を含む碑文も見出せるようになった。

評価が定まったアルキメデスの人生の記録は、彼が没してから長い時間が過ぎた後に古代ローマの歴史家たちによって記録された。シラクサ攻囲を記したポリュビオスの『Universal History』には70年前のアルキメデスの死が記されており、これはプルタルコスやティトゥス・リウィウスが出典に利用している。この書ではアルキメデス個人にも若干触れ、また街を防衛するために彼が武器を製作したことも言及している。

発見と発明

の原理を用いて黄金の王冠が純金よりも密度が低いか否か判断したと言われる。

黄金の王冠

最も人口に膾炙したアルキメデスのについて、アルキメデスは金細工職人が銀の混ぜ物をしてごまかしていないかどうか確認を依頼された。実際には、アルキメデスは論述『浮体の原理』で主張するの一端に吊るした冠とバランスを取る同じ質量の金をもう一端に下げて、冠と金を水中に浸ける。もし冠に混ぜ物があって比重が低いと体積は大きくなり、置き換える水の量が多くなるため冠は金よりも浮力が高まる。そして、天秤は冠側が上方に傾くことになる。ガリレオ・ガリレイもアルキメデスはこの浮力を用いる方法を考え付いていたと推測している<ref name="galileo">。

アルキメディアン・スクリュー

は効率的な揚水に威力を発揮する。工学分野におけるアルキメデスの業績には、彼の生誕地であるシラクサに関連する。ギリシア人著述家のの設計を依頼したという。シュラコシア号は古代ギリシア・ローマ時代を通じて建造された最大の船で、アテナイオスによれば搭乗員数600、船内にの粒など固体を搬送する手段にも応用されている。

アルキメディアン・スクリューは、ねじ構造を初めて機械に使用した例として知られている。ねじ構造はアルキメデスのような天才にしか思いつかないという人もおり、実際に中国でねじ構造を独自に機械として使用することはできなかった。「ねじは中国で独自に生み出されなかった、唯一の重要な機械装置である」とも言われる。

アルキメデスの鉤爪

アルキメデスの鉤爪とは、シラクサ防衛のために設計された兵器の一種である。「シップ・シェイカー」(the ship shaker) とも呼ばれるこの装置は、クレーン状の腕部の先に吊るされた金属製の鉤爪を持つ構造で、この鉤爪を近づいた敵船に引っ掛けて腕部を持ち上げることで船を傾けて転覆させるものである。2005年、ドキュメント番組「Superweapons of the Ancient World」でこれが製作され、実際に役に立つか検証してみたところ、クレーンは見事に機能した。これは太陽光線をレンズで集め、焦点を敵艦に合わせて火災を起こしていたもので「アルキメデスの熱光線」と呼ばれたという。

このようなアルキメデスの兵器についての言及は、その事実関係がの原理を利用したものと考えられた。1973年にギリシアの科学者イオアニス・サッカスが海軍基地で実験を行った。縦5フィート(約1.5m)横3フィート(約1メートル)の銅で皮膜された鏡70枚を用意し、約160フィート(約50m)先のローマ軍艦に見立てたベニヤ板製の実物大模型に太陽光を集めたところ、数秒で船は炎上した。ただし、模型にはタールが塗られていたため、実際よりも燃えやすかった可能性は否定できない。

マルクス・トゥッリウス・キケロは)にて紀元前129年にあった逸話を採録している。紀元前212年にシラクサを占領した将軍マルクス・クラウディウス・マルケッルスは、2台の機器をローマに持ち帰った。これは、太陽と月そして5惑星の運行を模倣するがルキウス・フリウス・フイルスに説明する下りを残している

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これはまさに』でこれら機器の設計について触れていると述べた。近年、アンティキティラ島の機械やギリシア・ローマの古典時代に同じ目的で製作された機械類の研究が行われている。これらは、以前はオーパーツ視されていたが、1902年に発見されたアンティキティラ島の機械を通じて、古代ギリシア時代には機構の重要部分に当たる差動装置の技術は充分に実用可能な域に達していたと確認されたと記した。また彼は、円の面積は半径でつくる正方形に円周率を乗じた値に等しいことを証明した。『球と円柱について』では、任意の2つの実数について、一方の実数を何度か足し合わせる(ある自然数を掛ける)と、必ずもうひとつの実数を上回ることを示し、これは実数におけるアルキメデスの性質と呼ばれる。

の面積は、下図にある内接する三角形の面積の4/3倍に等しくなる。『放物線の求績法』でアルキメデスは、放物線が直線で切られた部分の面積が、放物線と直線のを用いる。最初の三角形の面積を1とし、この三角形の2辺を割線とし、放物線の隙間に同様な手段で2つの新しい三角形を想定すると、この面積の和は1/4となる。これを無数に繰り返して放物線の切片を取り尽くすと、面積は、
\sum_{n=0}^\infty 4^{-n} = 1 + 4^{-1} + 4^{-2} + 4^{-3} + \cdots = {4\over 3}. \;

となる

『砂の計算』では、アルキメデスは(ヒエロン2世の息子)を始めそのような数は無限と言える膨大なものとしか捉えられない中、アルキメデスはミリアド()という古代ギリシアで10,000を表す単位を元に大数単位を設定し、最終的に宇宙を埋める砂の数を8ビギンティリオン (vigintillion) = 8(1000那由他)と結論づけた。ただし彼の著作はは、後世に伝わるアルキメデスの業績は『平面の釣合について I』『放物線の求積』『平面の釣合について II』『球と円柱について I, II』『螺旋について』『円錐と球体について』『浮体の原理 I, II』『円周の測定』『砂の計算』だと主張した。。が注釈を加えて世に知らしめた。その後、アルキメデスの仕事はサービト・イブン=クッラ(836年 – 901年)がアラブ語へ、クレモナのジェラルド(1114年 – 1187年)がラテン語へ翻訳した。ルネサンス期には1544年にヨハン・ヘルヴァーゲンが、ギリシア語とラテン語でアルキメデスの仕事を含む「最初の校訂版 (Editio Princeps)」をバーゼルで発刊した。『円周の測定』または『円の計測』 ()

本書では、サモスのコノンの元で学ぶペルーシオンのドシセオス(Dositheus of Pelusium) との通信という形式を取り、3つの短い提議が示されている。2つ目の提議では、円周率はとの間にあることを示し、特に後ろの分数は中世そして現代に至るまで円周率の近似値として用いられている。
『螺旋について』 (On Spirals)
本書における28の提議もまたドシセオスに宛てたものであり、アルキメデスのらせん(代数螺旋)についての定義を示す。これは、一定の角速度で回転しながら定速度で遠ざかる点 (数学)の軌跡 (数学)について述べられ、これは極座標系 (r, θ)において 実数 abを用いる以下の等式で説明される。
\, r=a+b\theta
これは、ギリシア数学において動く点の軌跡がつくる曲線に対する考察の初期の例に当たる。
『球と円柱について』(2巻)(On the Sphere and the Cylinder)
これもドシセオス宛ての形式を取り、アルキメデスは彼自身が最も誇る帰結である球とそれに外接する同じ半径 rの円筒の間にある関係を述べている。両者の体積はそれぞれ、球がπr3、円筒が2πr3となり、表面積はそれぞれ球が4πr2、円筒が上下の平面を含み6πr2となる。この結果から、球の体積と表面積は常に円筒のになる。
『円錐と球体について』または『円錐状体と球状体について』 (On Conoids and Spheroids)
本書にはドシセオスに向けた32の提議があり、この中でアルキメデスは円錐、球、放物線を切り取った際の、断面の面積や体積を計算する方法を示している。
『浮体の原理』(2巻) (On Floating Bodies)
第1巻では、アルキメデスは流体が重心のまわりに集まって球状で均衡する様を説明した。これは、地球が丸いというエラトステネスなど当時のギリシア天文学者らの説明を理論化する目的があった可能性がある。ただし彼はあらゆる物質が球体を成す落下点を想定しており、物質自らの重力によって集まるような状況は想定していない。
第2巻では、彼は放物線の切片が均衡する状態を計算しており、そのうちいくつかは氷山のように下部は水中にありながら上部が水上に出ているものを扱っており、これは船体を想定したものとみなされる。そして、浮力についてのアルキメデスの原理が考察され、以下のように述べられている。
『放物線の求積』 ()
本書もドシセオスへ24の提議を行う通信形式で、アルキメデスは放物線をを用いて求められた。
『ストマッキオン』または『アルキメデスの小筥』 ()
これはであり、後にアルキメデス・パリンプセストとして詳しく説明された。本書にてアルキメデスは、正方形に組み立てられる14個のピースの形状を示した。これを研究していたの初歩的な例に当たる。
このパズルの名称「ストマッキオン」ははっきり判っていないが、古代ギリシア語で喉もしくは食道を意味するが語源と推測される。アウソニウスはこれを、骨(osteon)と戦闘(machē)の合成語「Ostomachion」だと言った。「ストマッキオン」は別名にて「Loculus of Archimedes or Archimedes' Box」(アルキメデスの小筥)とも呼ばれる。
『アルキメデスの牛の問題』 (Archimedes' cattle problem)
この原稿は1773年ににあるヘルツォーク・アウグスト図書館で、ゴットホルト・エフライム・レッシングが発見した、エラトステネスとアレクサンドリアの数学者に宛てた44行の詩の形式で纏められている。アルキメデスは太陽神ヘーリオスが持つウシの群れが果たして何頭なのか、ディオファントス方程式の整数解を求める問題として提示した。この設問は1880年にA. Amthorが初めて解き、その数は7.760271という非常に大きなものとなった。
『砂の計算』または『砂の計算者』 ()
この著作では、アルキメデスは宇宙空間を埋め尽くす砂粒の数を試算している。ここで彼は、太陽系についてアリスタルコスの地動説と、地球などおのおのの天体間の大きさや距離についても当時の知識を用いた。ミリアド(10,000)を基準に彼が得た結論は、必要な砂粒は現代的記述で8に相当した。本著の序文にて、アルキメデスは天文学者である父「フィディアス (Phidias)」について触れている。この書(別名:Psammites)はアルキメデスが天文に言及した、確認されている唯一の資料であるまたは『方法論』 ()
本書は、1906年に発見されたアルキメデス・パリンプセストによって存在が知られ、アルキメデスが思考した概念を集約した書籍と評価される。ここでは無限小を用いて、どのように面を無数の小片に分けて面積や量を求めるかという方法を示した。ただし、彼自身はこの方法が厳密さに欠けた箇所があると考えた模様で、結論を得るために取り尽くし法を考案したと思われる。本書は『牛の問題』同様、アレクサンドリアのエラトステネスに宛てたものとして書かれている。

未確認の著作

円の性質について15の提議が書かれたアルキメデスの『補助定理集』(またはLiber Assumptorum) は、とマーシャル・クラーゲットは、現在確認できるこれらの書がアルキメデスの著作をそのまま伝えているとは考えにくいと主張し、他の人物が引用しながら変更されたものだと述べた。そして、この元になった考察はアルキメデスの初期の著述であり、これは失われていると述べた。

また、三角形の面積を求めるヘロンの公式もアルキメデスの発案に源泉があるとも唱えられたカール・ベンジャミン・ボイヤーの『数学の歴史』(A History of Mathematics、1991年)では「一般にヘロンの公式と呼ばれる三辺の長さから三角形の面積を求める公式は、ヘロンよりも数世紀前の人物であるアルキメデスの仕事だとアラブの学者は伝える。彼らはまた、broken-chord定理もアルキメデスの作だと考える。アラブ人は、いくつもの定理をアルキメデスが証明したと報告している」と述べられている。。しかし、この公式について信頼に足る証拠は1世紀にアレクサンドリアのヘロンが提唱したものしか無い。

アルキメデス・パリンプセスト

は、『アルキメデス・パリンプセスト』の中で見つかった切断パズルである。最も近年発見されたアルキメデスの著作は『アルキメデス・パリンプセスト』である。1906年、が(一度書かれた文字のインクを削るなどの方法で消し、別な文字を上書きされたもの)であることを発見した。調査の結果、山羊皮紙にかつて書かれていた文章は、それまで知られていなかったアルキメデスの提議を10世紀に写したものと判明した。

フィールズ賞はアルキメデスの横顔を意匠とし、その周囲にはラテン語で彼の言葉「」(Rise above oneself and grasp the world)が刻銘に使われている。そして裏面には、彼がその関係を発見した球と円柱が描かれている。アルキメデスの肖像は切手にも用いられ、スペイン(1963年)、ニカラグア(1971年)、ドイツ民主共和国(1973年)、サンマリノ(1982年)、ギリシア(1983年)、イタリア(1983年)と多くの国で使われた。

関連項目

  • アルキメデスの性質
  • アルキメデス数*アルキメデスのパラドックス
  • 半正多面体(アルキメデスの立体)
  • アルキメデスの円
  • アルキメデスの楕円コンパス
  • アルキメデスの無限小
  • アルキタス
  • ディオクレス
  • 開平法
  • 塩入れ(円と半円の問題)
  • 蒸気砲

参考文献

  • Complete works of Archimedes in English.

脚注

注釈

脚注

読書案内

  • ウィリアム・ノエル、リヴィエル・ネッツ『解読! アルキメデス写本』光文社、2008年。ISBN 4334962033
  • 斎藤憲『よみがえる天才アルキメデス―無限との闘い』岩波書店〈岩波科学ライブラリー〉、2006年。ISBN 4000074571
  • 伊達文治『アルキメデスの数学―静力学的な考え方による求積法』森北出版、1993年。ISBN 4627015402
  • Republished translation of the 1938 study of Archimedes and his works by an historian of science.

翻訳書

  • 『アルキメデス方法』佐藤徹訳・解説、東海大学出版会〈東海大学古典叢書〉、1990年。ISBN 4486011023
  • 「球と円柱について 第1巻」佐藤徹訳・訳注『科学の名著9』朝日出版社、1981年。ISBN 425581029X

オンラインの『アルキメデス著作集』

外部リンク


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